柔道整復術は300年近い歴史を持ち、日本古来の医術の一つで、「柔術」の活法を基本とし怪我人を回復させる技術として伝承されてきました。武術の中で生じる骨折、脱臼、打撲や捻挫などの外傷を治療したり、患部に手を当てて治療する、いわゆる「手当て」が原点になったとされています。明治以降、この技術に東洋や西洋の医学技術を織り成して発展向上を遂げ、現在は骨・関節・筋・腱・靭帯など運動器に加わる急性、亜急性の原因によって発生する骨折・脱臼・捻挫・挫傷・打撲などの損傷に対し、手術をしない「非観血的療法」という独特の手技によって整復・固定・後療等を行い、人間の持つ自然治癒能力を最大限に発揮させる治療術です。
我国の65歳以上の総人口に占める割合は、2015年には3,283万人(人口の約26%)と予想されています。 老人性外傷が増加する中、人間が本来持っている自然治癒力を引き出す柔道整復と西洋医学の技術をクロスオーバーさせる治療方法は、これからの超高齢化社会においてより重要視されています。
柔道整復術は代替医療であり、柔道整復師は日本国でのみ認められている日本固有の国家資格です。そしてこの柔道整復術を業務として行うことができる国家資格が柔道整復師であり、柔道整復師法においては第二条で「厚生労働大臣の免許を受けて、柔道整復を業とする者」と定義されています。現在において、日本で業務として柔道整復術を行うことができるのは医師と柔道整復師に限られています。
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